光を背負う、僕ら。―第2楽章―
あたしも、伸一も。
明日美も流歌も。
みんな目指す場所は違う。
それを望んだのは自分だけど……。
離れ離れになるのは寂しいなんて思うのは、わがままなことなのかな?
同じ空間で一緒に過ごしている今、この時間がなくなってしまうなんて想像も出来ない。
大好きな人とも大切な親友とも別れるときがくるなんて、考えるだけで切なくて悲しい。
不安という曖昧な形でしか描けない未来のことを考えると、なんだか泣いてしまいそうだ。
「ん?どうした?」
心配する伸一の顔が俯くあたしを覗き込んでいて、ハッと意識を取り戻す。
「…あっ、ううん。何でもない。
…佐藤君ならきっと西澤高校に受かるよ!頑張ってね!」
……何を、揺らいでいるのだろう。
夢を追い求めるってことは、こうなるってことも当たり前のように受け止めなくちゃいけないのに。