光を背負う、僕ら。―第2楽章―
……揺らぐな、あたし。
いくら離れ離れになる日が来ると分かっていても、今気持ちを伝えたら何の意味もない。
むしろこの二人の時間に自ら終止符を打ってしまい、別れる時期を早めてしまうだけだ。
だったら、あたしは――…。
「…ねぇ、佐藤君。これは何の曲か分かる?」
「あっ、多分知ってる!」
…――この想いの、スイッチを切る。
伸一を想う気持ちがこの時間を邪魔するのならば、心のスイッチをオフにする。
二度とオンにならないように、強く願って。
だってそれが、一番いいと思えていたから……。
――だけど、あたしの心は弱すぎた。
スイッチがいとも簡単には壊れてしまう日が、近いうちにきてしまうほどに。
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