光を背負う、僕ら。―第2楽章―
変わりたくて
いつもと変わらない、学校の授業の合間の休み時間。
昨夜見た恋愛ドラマの話で明日美と流歌と盛り上がったあと、二人に昨日先生から聞いたことを話した。
もしかしたら話を聞いてもらううちに、オリジナル曲のいいアイデアが浮かぶかもしれないって思ったから。
二人は想像以上に、あたしと一緒になって真剣に考えてくれる。
「オリジナル曲か~…。一概にそう言われても、難しいよね」
流歌もあたしと同じことを思ったらしい。あたしはそれを聞いて頷く。
あたしの前の席に腰掛けている明日美に目を向けると、表情を歪ませて腕くみをしながら考え込んでいるみたいだった。
でもあることをひらめくと、一気に花が咲いたように明るい笑顔になった。
「あっ、でもさ!
自分で作曲するっていうのは、佐奈には簡単なことなんじゃないの?
ピアノを聞かせてくれたとき、自分で作曲した曲を演奏してくれたんだから」
「そういえばそうだよ!
あの時聞かせてくれた曲すごく良かったし、あんな風に作曲すればいいんじゃない?」
明日美の言葉で流歌もあの事を思い出したらしく、『問題解決!』と言いそうな勢いで乗り出してくる。
だけど、あたしの不安はまだ取り除けずに燻っていた。