光を背負う、僕ら。―第2楽章―
もしかして、真藤君……。
「人の告白、覗き見してたの!?」
「ちげーよ。言っただろ?日直の仕事でこの校舎に来たって。
たまたまこの部屋の近くを通りかかったら、人の話し声が聞こえてきたんだよ。
そしたら麻木と伸一が話してて、それで……」
「もっ、もういいよ!事情は分かったから!」
話を聞いている間になんだか恥ずかしくなってきて、思わず止めに入った。
最悪だ…。
やっぱりあたしの告白、聞かれてたんだ。
しかも真藤君に聞かれてしまうなんて……。
これじゃあこの前、真藤君が告白されてるところを聞いちゃった罰(ばち)が当たったみたいだよ……!
一人で悶々と悩んでいると、真藤君は呆れたようにため息をついた。
「…てか、そろそろ助けてもらったお礼ぐらい言えば?」
ズボンのポケットに手を突っ込んで何故か上から目線の真藤君に、悩んでいたあたしでもさすがにカチンとくる。
「……なっ、何が?別にあたし、助けてなんて頼んだ覚えないよ。
確かに佐藤君とあの空気の中にいるのは、気まずいと言えば気まずかったけど…」
「…可愛くねぇやつ」
「…なっ!?」
余計な一言に苛ついて頭に血が上り、カッと顔が熱くなる。