光を背負う、僕ら。―第2楽章―
目の前の得意気な笑顔はやけにむかつく。
だけど自業自得であるこの状況では、理由を話さずにはいられない。
半分だけ意地は残るものの、諦めのため息をついた。
「……分かった。あたしと佐藤君がこの部屋にいた理由を話すよ。
…だけど、今から話すことは誰にも言わないって約束して。それは佐藤君とも約束していたことだから」
「分かった。約束は守る」
あくどい一面を知っていると本当に守ってくれるのか不安になるけれど、ここは一か八かで真藤君を信じることにした。
そしてあたしは、二人でこの部屋にいた理由……放課後の練習のことやそれを伸一に知られてしまった経緯を、渋々と話すことになった。
――――……
あのあとあたしは伸一と音楽室にいた理由を話しただけでなく、気が付くと告白することになった流れまですべて話してしまっていた。
後半のことを話したのは真藤君に上手く聞き出されてしまったっていうのもあるけれど、本心では誰かに聞いてほしかったのかもしれない。
気持ちを押さえることが出来なくなった、あのつらい状況のことを。
…まぁ、まさか。
それを最初に話すのが明日美や流歌じゃなくて、真藤君になるなんて思ってもみなかったけれど。