光を背負う、僕ら。―第2楽章―
それからすべてを話した直後に下校時刻を告げるチャイムがなって、あたしと真藤君は一緒に音楽室を出た。
そのあと真藤君は戸締まりをしていたあたしを置いてさっさと先に帰ってしまったから、理由も聞けてもうすっかり満足したのかなと思ったりもした。
ければ家に帰って冷静になって考えてみると、真藤君はそれだけでは満足していないような気がしてならなかった。
それでなんとなく、またここに来るような予感がしていたわけだけど……。
……まさか、本当に来るなんて。
「………」
「……目、あんまり腫れてねぇみたいだな」
「……!!」
突然伸びてきた手が、躊躇うことなく瞼に触れてきた。
いつからこんなに近くにいたんだろう…。
真藤君は座っているあたしのすぐ傍にまで近付いていた。
瞼をいたわるように撫でる骨張った指先の熱いぬくもりに驚いて、昨日の出来事を思い出してボーッとしていた思考と体が強張ったように固まる。
「あれから、泣かなかったわけ?」
「…~~っ!」
間近で顔を覗き込まれると、余計に思考の働きが鈍くなって反抗の声も出せなくなる。