光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「上手くいくかは分からないけど…。とりあえず、作曲してみる。
いつも作ってる曲も、ちゃんと編集したら大丈夫かもしれないし」
二人はあたしの言葉を聞いて、柔らかく微笑んでくれた。
――変わりたいな。
切実に、そう思った。
自分を支えてくれる二人に応えるためにも。
強くなりたい。
前を向いて歩けるぐらい逞しい人に、変わりたいって思ったよ。
◇◆◇◆◇
「――失礼します」
放課後。
緊張した面持ちで職員室に入ると、コーヒーの苦い香りがふわりと体を包み込んだ。
あたしは目的の人物が机に向かっているのを確認すると、足早にそこへ向かう。
「…鈴木先生、少しいいですか?」
ぎゅっと握り締めた拳の裏に、汗が滲んでいた。
先生は仕事をしていた手を止めると、あたしと向き合うように椅子を回す。
「大丈夫よ。…だけど、場所を変えましょうか」
先生はあたしの表情から深刻な話であると悟ったのかして、職員室に隣接する面談室に案内してくれた。