光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「……麻木はそうやって、これからもあいつを好きでいるのか?…フラれたのに」
目を開けると真藤君と目を合わせて、首を縦に振った。
以前に「好きな人がいる」と教えてくれた真藤君なら、この答えにも納得してくれると思ったんだ。
だけど予想とは反対に、真藤君は苦しそうに顔を歪めて俯く。
「……ほんと、おまえの気持ちはわかんねぇな」
「えっ…?」
よく分からない言葉に驚いていると、真藤君が自嘲気味に笑ってあたしを見た。
「…俺は嫌だな。好きなやつのために我慢するなんて」
真藤君が一歩進むと、二人の間の隙間が一気になくなった。
急激に迫られたことに驚くのに、重なる視線があたしを放してくれない。
「…し、真藤君?」
「おまえに分かるか?……好きな子が他の男のために泣いたり、我慢して強がる姿を見てるのに、何もしてやれない気持ち」
「何、それ……」
動けずに固まっていると、メモを持った腕を掴まれていた。
それでもう、完全に動けなくなる。