光を背負う、僕ら。―第2楽章―
真藤君の余裕をなくした瞳が危険信号を別の意味で鳴らして、ある予測を浮上させた。
緊張感を帯びた空気を真藤君が裂く。
「……おまえがつらそうにしてるの見て、我慢できるわけねぇじゃん」
「しんどう…くん」
「――好きなんだよ、麻木のこと」
腕を掴まれている手から、一気に熱が流れ込んでくる。
真藤君にはいつもの悠々とした雰囲気がなく、恥ずかしそうに頬を赤らめていた。
あたしの頬も伝染したように少なからず火照りだしていた。
「俺はおまえが好きだから、泣いてほしくない。伸一のために我慢するのも嫌なんだよ。
…麻木には笑っていてほしい」
頬を赤く染めたままなのに瞳だけは芯の強い真藤君のままで、少し戸惑ってしまった。
真剣な眼差し。
真っ直ぐ向けられる想い。
彼の抱く想いはあたしのものと同じすぎて理解出来てしまうから、余計に目を逸らすことなど出来なくなってしまった。
だけど先に、真藤君に目線をずらされる。