光を背負う、僕ら。―第2楽章―
辿り着いた決断
色々と複雑なことが起こりすぎた一週間を終えて、やっと迎えた日曜日の午前。
あたしは明日美と流歌と一緒に受験勉強をしようと、流歌の家に来ていた。
だけど勉強というのは建て前で、実際はさっきからおしゃべりばかりしている。
シャープペンを持つ手は空中で止まってばかりで、その役目を果たしていない。
「……で、佐奈はまだ真藤君に返事を言ってないんだ?」
「うん。今は要らないって言われちゃって…」
問題など解く気になれないのに、目は問題集の文章を読む。
気まずさもあって、明日美の目を見て言うことが出来なかった。
……二人には今日になって初めて、一連の出来事のことを伝えた。
あれだけ意地を張って拒んでいたのにあっけなく告白したあたしに、二人とも当然のごとく驚いていた。
けれど、呆れられることはなかった。
むしろこの展開をある程度予測していたように受け入れてくれて、苦しい想いも嫌な顔一つせずに聞いてくれていた。
それだけであたしは、心の重荷を下ろすことが出来たんだ。