光を背負う、僕ら。―第2楽章―
告白をしてくれた真藤君の表情は、ちゃんと本気の気持ちだって教えてくれた。
それなのに失恋の気持ちを癒すためとかを理由に付き合うというのは、それはおかしい気がした。
でも……。
「断っちゃうのも、気が引けるんだよね……」
自分がフラれたばかりのせいで、断ったあとの真藤君の気持ちを考えるとその決断も出来そうなかった。
そうして結局、問題は振り出しに戻る。
「……なんだか、複雑なことになっちゃったねー」
「真藤君もタイミングが悪すぎるしね」
二人は腕を組んであたし以上に考え悩んでくれていた。
うじうじするあたしを責めずに真剣に考えてくれるだけで、あたしは救われる。
「…ありがとう、二人とも。あたし、もう少し考えてみる。
二人の言うとおり、付き合ってみるのもいいかもしれないし。
今日は話聞いてくれてありがとね」
二人と向き合えば、優しい瞳が向けられた。
「…そっか、分かった。佐奈がそう言うなら、もっと考えてみるべきだよ。あっ、話聞くぐらいならいくらでもするからね?」
「流歌…。うん、頼りにしてる」
流歌の言葉はいつも温かくて包み込んでくれるから、安心出来るよ。