光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「…ごめんねっ…」
「…なんで謝るんだよ」
「……だってあたし、真藤君に何も、出来てない。あたしはいつも、助けてもらったのに…」
「いいんだよ、別に。全部俺が好きでやってたことだし」
「でも……」
真藤君が泣かないのにいつまでも泣いているわけにはいかなくて、ぐっと息を止めて涙を堪える。
真藤君はやっぱり、困ったように笑っていた。
「あたしに何か出来ることがあるなら言って?あたし、何でもするから…」
告白を断ったから、同情してるわけじゃない。
ただ本当に、真藤君の助けになりたかった。
知らず知らずのうちに、あたしが支えてもらっていたように。
「……何でもって言うけど、例えば何なら出来るわけ?」
「えーっと……。勉強を教える、とか?」
「ハハッ、勉強って!」
ずっと渋い表情だった真藤君に、久しぶりに笑顔が戻る。
ちょっとだけ心が、落ち着いてくれたみたいだった。
あたしも少しだけ、安心する。