光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「…勉強は、ダメかな?」
結構真面目に考えて言ったから、笑われてしまって少し戸惑う。
確かにあたし、人様に教えられるほど賢いわけではないけれど……。
おろおろしながら反応を待っていると、優しい視線が向けられた。
同時に手が伸びてきて身体を強張らせると、真藤君の指が目尻に残っていた涙の滴を遠慮がちに拭って離れた。
「麻木と一緒に居られるなら勉強でもいいけどさ。でも、どうせなら……」
優しい目付きで真藤君があたしを見る。
……なぜだろう。
真藤君は笑っているのに、あたしにはそれが泣いているように見えた。
「……どうせなら、“ずっと友達でいて欲しい”。
もうこれっきり関わらないとかじゃなくて、これからもずっと普通に接して欲しい。
それが俺の、麻木にしてもらいたいこと」
……あのときと、同じ。
告白の言葉を言ってくれたときと同じ表情の真藤君が、目の前にいた。
あまりにも真剣な表情に気を取られて、一瞬何を言われたのかさえ分からなかった。
数秒遅れて、「え?」と掠れた声が出る。