光を背負う、僕ら。―第2楽章―



「…勉強は、ダメかな?」




結構真面目に考えて言ったから、笑われてしまって少し戸惑う。



確かにあたし、人様に教えられるほど賢いわけではないけれど……。



おろおろしながら反応を待っていると、優しい視線が向けられた。



同時に手が伸びてきて身体を強張らせると、真藤君の指が目尻に残っていた涙の滴を遠慮がちに拭って離れた。




「麻木と一緒に居られるなら勉強でもいいけどさ。でも、どうせなら……」




優しい目付きで真藤君があたしを見る。



……なぜだろう。



真藤君は笑っているのに、あたしにはそれが泣いているように見えた。




「……どうせなら、“ずっと友達でいて欲しい”。
もうこれっきり関わらないとかじゃなくて、これからもずっと普通に接して欲しい。
それが俺の、麻木にしてもらいたいこと」




……あのときと、同じ。


告白の言葉を言ってくれたときと同じ表情の真藤君が、目の前にいた。



あまりにも真剣な表情に気を取られて、一瞬何を言われたのかさえ分からなかった。



数秒遅れて、「え?」と掠れた声が出る。



< 251 / 485 >

この作品をシェア

pagetop