光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「見たー?やっぱりあれって、2組の真藤君と麻木さんだよね?」
「うん。間違いないね」
「一緒に帰ってるって噂、ほんとだったんだね…」
「ちょ、あんまり大きい声出すと聞こえちゃうよー」
……全部丸聞こえだし。
わざとらしい会話に嫌気がさして、靴を捨てるように床に投げた。
……最近はずっと、こんな感じ。
真藤君と一緒に過ごしたり帰ったりするようになってからは、こうやって影でこそこそと何かを言われるようになった。
なんだか噂によると、あたしと真藤君が付き合ってると思われているらしい。
おかげで色んな人達に注目されるようになった。
さっきまでいた図書室でも、あたし達を指差して話している人達がいた。
図書室を出るときに感じた視線も、好奇からきたものだと思う。
だいぶ慣れたと言えば慣れたけど、やっぱりありもしない噂で注目されるのは良い気分がしなかった。