光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「え、何々!その夢って何なの?すごく気になる!」
完全に聞く気満々で気分が高まる。
でも真藤君は全然違うみたいで、ギロリとした鋭い目付きで睨まれた。
あれほど止まらなかった手も急に停止して、その拍子にポキッと芯が折れてしまっている。
あれ、聞かれたくなかったのかな……。
「もしかして、言いたくなかったりする?」
「いや、言いたくないっていうか……。あるのは夢っていうか、目標みたいな感じなんだよ。だから、なんていうか……」
真藤君は渋い表情で問題集を見ている。
だけど問題文の内容は、まったく頭に入っていないみたいだ。
夢なのか。それとも目標なのか。
あたしも以前は、その違いで悩んでいたことがある。
でもその違いを悩んでいる時点で、もう答えは最初から決まっていた。
きっと真藤君だってもう、きっかけは掴んでいるんだと思う。
「……ちゃんと決まってなくてもいいよ。真藤君が今、興味あることを教えて?
誰かに話すことで、見つかる夢もあるでしょう?」
あたしが何か、役に立てるとするならば。
それはきっと、心の声に耳を傾けること。
だから、真藤君のことを教えてよ。
あたしだって、道標になれるかもしれないでしょう?