光を背負う、僕ら。―第2楽章―
真っ直ぐ目を見ていると、真藤君の目もあたしを見る。
周りの視線や声だって気にならなくなり、まるで目だけで会話をしているみたいだった。
しばらく見つめ合っていると、真藤君の表情から迷いが消えた。
そんなに見つめられたら、断れるわけねーじゃん、と。
真藤君は困ったように照れ笑いをする。
だけど何かを吹っ切れたように、清々しい表情だった。
「いいよ、話す。
でも麻木みたいに立派な夢じゃないから、あんまり期待すんなよ?」
念を押す彼に、笑顔を返した。
……分かってないな、真藤君。
人が抱く夢に立派も何もない。
誰かと比べて優劣を決めるなんて、間違ってるよ。
あたしの夢も、真藤君の夢も。
自分で選んだ夢なのだから、立派に決まってる。
だってそこには誰にも譲れなくて誇れる想いが、たくさん詰まっているのだから。
遠くを見据えて想いを馳せる真藤君の言葉を、あたしはじっくりと聞いた。