光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「……でもそうとは言っても、薬の研究開発をしたいと思ったきっかけは親だったかな。
最初は両親みたいに、少しでも人の命を助ける仕事がしたいって思ったんだ。
でも医者になりたいかって考えると……なんか違った。
俺は命を救うための技術や知識を身に付けたいわけじゃない。命を救うための技術を、今よりもっと発展させたい。
それが俺のやりたい、命を救う方法だって気付いたんだ」
自分がやりたいことと進むべき道を一致させている真藤君は、十分素敵で立派な夢を持っていると思った。
だって話しているときの真藤君は、とても瞳が生き生きしている。
そんな風に話せることが、夢じゃないわけないよ。
「……まあ、そう思ってるからと言っても、必ず製薬会社に入れるとは限らないけどな」
「そんなことないよ!真藤君なら、きっとその夢を叶えられるよ!」
「はは、どうだろな」
真藤君は言葉では自信なさげだったけど、表情は相変わらず輝いていた。
……大丈夫だよ。
両親の職業をきっかけに、新たに自分だけの道を見つけたんだもん。
そんな真藤君だけの道を追い求めている君は、とても力強く輝いているよ。