光を背負う、僕ら。―第2楽章―
崩壊の音
数日後の日曜日。
――…♪♪♪~♪♪~♪……
あたしは自宅のピアノで、初めてお母さんに作曲した曲を披露していた。
幾度となく修正して、一応完成に近づいた曲。
今のあたしが思うことを、ありのまま込めて作った。
今までに作ってきた曲と比べると、断然あたしらしいものになったと思う。
小さな達成感で、心が弾む。
それが指先からメロディーに伝わって、思わず微笑んでしまうほど楽しかった。
「……うん、かなり良くなったね」
演奏を終えると、間髪を入れずにお母さんがそう言った。
演奏の余韻に浸ったまま、興奮した状態で勢いよく振り返る。
今までで一番良い反応をしてくれるお母さんを見て、あたしの興奮は治まらない。
「ほんと!?
本当に、良くなってる?」
「本当よ。今まで作ってきた曲よりも、かなり佐奈の曲らしくなってる。
それに今までで一番、楽しそうに弾いてたわ。……それは佐奈が、一番分かってるんじゃない?」
「……うん!」
素直に浮かんだ笑顔が、すごく誇らしかった。