光を背負う、僕ら。―第2楽章―



思わずまた笑っていると、お母さんが呆れたようにあたしを見ていた。



「はいはい。喜んでるのは分かったからその笑いはやめなさい。……そうだ、ちょっとおつかい頼まれてくれる?」


「おつかい?別に構わないけど……。何を買ってくればいいの?」




そう返事をするや否や、お母さんはすでにお金の準備をしている。



お母さんは自分の財布から出したお金をあたしに握らせた。




「今日の夕飯はオムライスにしようと思ったんだけど、ケチャップが今切れてるのよ。だから、買ってきてくれる?」


「分かった。買ってくる。今日はオムライスなんだね。楽しみだなぁ」




オムライスと言えばあたしの好物の一つ。



お母さんが作ってくれるふわとろのオムライスを想像すると、お昼ご飯を食べたばかりだというのにお腹の虫が騒ぎ出しそうになった。




「今日まで作曲するの頑張ってたから、その完成祝いよ。オムライス食べて、これからも頑張りなさい」


「なんかそれ、あたしのエネルギー源がオムライスみたいな言い方なんだけど……。でも、ありがとう!」




応援されている。

そう実感出来るようになるまで、とても長い道のりだった。



だけど今は反対していたお母さんも、こうやって背中を押してくれる。



あたしはその期待に応えられるように頑張ろうと、再度強く心に刻んだ。



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