光を背負う、僕ら。―第2楽章―



わざわざ直接あたしに聞いてまで噂を確かめたい意味が分からなくて、すごくモヤモヤした。



どうせ聞くなら、友達である真藤君に聞けばいいのに……。




「……付き合ってないよ」


「えっ?」


「真藤君とは付き合ってないよ。ただ勝手に、噂になってるだけだから……」




ここではぐらかすと余計な誤解を生みそうだったから、渋々と正直に話した。



それに、事実を知ったあとの伸一の様子も知りたかったから。




「……そっか。噂なのか」




だけど伸一は曖昧な笑顔でそう言うものだから、結局事実を知ってどうしたかったのかも分からなかった。



今ではもう、最初から噂を信じていたのかさえあやふやだ。



結局いつだって、伸一の気持ちは分からないんだよね……。




……あたしだって、知りたかったよ。


伸一が噂のことをどう思ってるのかなって気になってた。



接点がなくなっても、頭の隅っこでいいからあたしの存在が伸一の中にあってほしかった。



伸一にフラれたからすぐに別の人と付き合うなんていうふうに、思われたくなかった。



でも結局は全部、分からないまま。



伸一にとってあたしは今、どんな存在なの?


どんな風に、その目に映ってる?



伸一が何を考えながらあたしを呼び止めているのかも分からない。



分からないことだらけで、ものすごく苦しいよ……。



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