光を背負う、僕ら。―第2楽章―
呼び出し。
人目を盗んで行うには、とてもうってつけな場所なんだろうなぁ…。
3人の後ろの髪の毛が風に弄ばれているのを見ながら、そんなことを思った。
でも足を進める度に、落ち着いている頭とは正反対に心臓が慌て始める。
脳裏には、最後まであたしを止めようとしていた二人の顔が浮かんでいた。
何だかんだ言って、結局あたしはここに来たわけだけど。
一人でついてきて、平気なわけじゃない。出来れば二人を一緒に連れて来たかった。
そうすれば向こうも3人、こっちも3人で、フェアな状態なのに。
……そこが上手くいかないのが、呼び出しか。
「ここでいっか」
3つの頭が振り向いて、仮面がニコリと笑う。
でも、声は笑っていない。
冷えきっていた。
いつでも対抗出来るように集中力を高めておくけれど、自分の背中が校舎の壁に向いていて、しまったと思った。
……ていうかあたし、どうしてこの子達に呼び出されてるんだっけ?
思えばあたし、それさえよく分かってない。