光を背負う、僕ら。―第2楽章―



「あたしさー、昨日見ちゃったんだよね」




山口さんの質問に答えずにいると、ずっと腕組みをしてあたし達の会話を聞いていた岡田さんが口を開いた。



顔を見るともう、偽物の笑顔なんて存在していない。



あたしより少しだけ背が高い岡田さんがあたしを見下ろす体勢になっていて、上から落ちてくる言葉と視線が冷たかった。

冷たすぎて、痛いぐらいだ。




「……何を、見たの?」




だけど負けじと強い視線で見上げて、率直に聞き返す。



ここでたじろんでしまうと、気持ちで負けてしまうような気がしたんだ。



……おそらく、3人があたしを呼び出した理由は、岡田さんが見たという“何か”だろう。



岡田さんが見た“何か”。

つまりあたしにとっては、見られた“何か”。


昨日。見られた、何か。

……まさか。



頭の中で風船が割れたような衝撃が起こった。



思い出すというよりもすぐに意識を支配したのは、昨日からずっとあたしの思考を支配していること。



もしかして岡田さんが見たというのは、昨日公園で伸一と会っていたときのことなの……?




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