光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「心当たりはあるみたいね」
動揺し始めるあたしの反応を見て、岡田さんはクスクスと面白そうに笑った。
だけどすぐに真剣で冷ややかな表情に変わり、やっと本心を見たような気がした。
でも、今は、そんなことに驚いている場合じゃない。
岡田さんの一言で、嫌な予感が実体を持ってしまったんだ。
「昨日さー、びっくりしちゃったよ。弟を連れて公園に行ったら、佐奈ちゃんと佐藤君が仲良さげに話してるんだもん」
「……」
「最初はたまたま会ったから話してるのかと思ったんだよ?それならね、別に問題なんてなかった。
……でもさ、次に二人の姿を見たら、抱き合ってるんだもん。
おかしくない?佐藤君、小春と付き合ってるんだよ?
それなのに、どうして二人が抱き合ってんの?ねぇ、佐奈ちゃん?」
見られていた状況を言われる度に、視線がどんどん足元を追ってしまう。
それに比例するように岡田さんが捲し立ててきて、何も言い返せないまま下唇を噛んでいた。
どうしよう…。
昨日の出来事はあたしの中でもまだ整理しきれていないのに、まさか他人に見られてしまってたなんて……。
ただでさえ大きな悩みの種が、さらに大きくなってしまった。
そして恐ろしい勢いで、悪影響を広げていく。