光を背負う、僕ら。―第2楽章―
ホームルームは今日の連絡事項が告げられると、手短に済まされた。
号令が終わって立ったまま、複雑な心境のまま伸一の背中を追っていると、二人が駆け寄ってきた。
「さぁ、佐奈。あの三人と何があったのか教えて?」
ちょっと真剣で興味津々な表情の明日美に肩を下に押されて、座るように促された。
「うん、あのね……」
明日美があたしの前の席、そして流歌が右隣の席を借りて座ったのを確認して話を始めた。
今朝の出来事はもちろん、昨日の公園での出来事も話した。
やっぱり伸一への気持ちを諦められないことも、正直に伝えた。
周りの人に聞かれないように小声で話すあたしの言葉に、二人は時折相槌を打ちながら聞いてくれていた。
「なんだかごめんね。二人にはいつも事後報告になっちゃって。先に相談とかしておけば良かった……」
「ううん。そんなの全然いいよ。あたしは佐奈がこうやって話してくれただけで嬉しいよ」
「明日美……」
「あたしも同じだよ。それに相談のタイミングなんて、佐奈がしたいときにするものだしね。頼りたいって思ったときに頼ってくれたら、あたし達はいつでも力になるからね?」
流歌があたしの手をきゅっと握り、その上に明日美の手が重なる。
温かい手。
このぬくもりはいつも、あたしを支えてくれている。
それだけでもう、十分だった。