光を背負う、僕ら。―第2楽章―
天才達の本音
昨日は結局、真藤君があたしを好きだっていう噂は広まらなかった。
どうやら岡田さん達は広めないでいてくれたらしい。
ただ単に、真藤君の言葉を信じきれなかっただけかもしれないけれど……。
「ちょっと聞いた!?小春ちゃんと佐藤君、別れたんだって!」
だけど次の日。
まるで真藤君の噂の代わりとでも言うように、あの二人のことが盛大に広まった。
何がきっかけでみんなに知れ渡ったのか分からないけど、今朝登校した時にはすでにその話で持ちきりで。
昨日は休んでいた小春ちゃんも今日は学校に来ていて、事態を確かめてくるみんなに対応していた。
「小春ちゃん!別れたってほんとなの!?」
「……うん。本当だよ」
「えー!二人とも仲良かったのに信じられない!」
小春ちゃんが別れたことを肯定すると、みんなが同じように驚いていた。
あたしだってそう思う。
今日になって小春ちゃんが実際に話しているのを聞いたって、未だに信じられないでいる。
だけど小春ちゃんが作り笑いでみんなに話しているのを見たら、やっぱり本当なんだとも思えるんだ。