光を背負う、僕ら。―第2楽章―



あれから小春ちゃんは、岡田さん達の昨日の行動は自分のせいだと言って謝ってきた。



昨日の出来事は岡田さん達から聞いたみたいで、小春ちゃんは慌てて岡田さん達にも真相を話したらしい。


そしてあたしへの勘違いもちゃんと納得したと説明された。



……どうやらすべて、タイミングが悪かったみたい。



失恋して気持ちの整理がついて、小春ちゃんが岡田さん達に別れたことを報告したのがちょうど昨日だったらしい。



そしてその報告は運悪く岡田さんが公園であたしと伸一を目撃した日と被ってしまい、いつ別れたのかということを小春ちゃんから聞かなかった彼女が勘違いをしてしまったのだと。



『ごめんなさい。あたしが最初からちゃんとみんなに話していれば、佐奈ちゃんに嫌な思いをさせなかったよね……』



小春ちゃんは「みんなが迷惑をかけた、悪いことした」と言って謝っていたけれど、あたしは別にもうそれは済んだことだと思っていた。



真藤君が助けてくれたし、一応あの時点で納得してくれていると思っていたから。



だから別に怒ったりもしていないし、謝れると逆にちょっと心地が悪くなってしまったぐらいだ。



だって、岡田さん達の気持ちが分からないわけでもないから。


彼女たちはみんな、小春ちゃんのことを思って行動したんだ。



あの行動が正しかったかどうかは言えないけれど、そこに存在した気持ちが悪いものだったとは言い切れない。



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