光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「二人とも無事に合格して、夢を叶えられますように」
お守りに向かって伸一が囁く。
その横顔を見つめながら、あたしも心の中で唱えていた。
「来年はさ、最初から一緒に初詣でに行こうな。二人だけで」
お守りを目線の高さから下げるとそう言われた。
来年の約束。
それは二人が一年後も一緒に過ごしていることを前提にしているからこそ、言ってもらえる言葉。
「……うん!二人でまた一緒にここに来たいね!」
出来ることなら来年だけではなく再来年も、そしてその次から次へと続いていく未来でも。
伸一の隣で、今日と同じように笑えていたら良いね。
「よし、じゃあ約束な?」
小指を差し出されると、確か前にも伸一と指切りげんまんをしたことを思い出した。
あのときはお互いの夢に向かって頑張るという誓いを約束した。
だけど今度は、二人が寄り添って一緒にいることを誓う。
「うん、約束ね」
「あぁ、約束だ」
絡めた小指の温もりが優しい。
二人で囁くように指切りげんまんの歌を歌った。
……伸一、あなたのことが好きです。
これからもその気持ちが変わることはないって思えるから。
だから、誓うよ。
お互いの夢に向かって強くなったその時に、またその笑顔をあたしに見せてね。
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