光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「ごっ、合格だ……!」
「そうだ。麻木は東條学園の入試に合格したんだ。良かったな、本当におめでとう!」
先生の言葉が耳に届く間に、涙がポロポロと零れていく。
一瞬夢かと思ったけど、硬い表情だった先生がとても嬉しそうに笑ってくれるから、この結果が本物だと信じることが出来た。
そうか……。
あたし、あの難関を突破出来たんだ!
そう思うと一気に気が抜けて、喜びと安堵の涙が何度も頬を伝っていった。
「ははっ、すみません……。いきなり泣いちゃって」
「いや、良いんだよ。それぐらい頑張ったもんな。先生も生徒が頑張ってる姿はよく知ってるから、合格してくれて本当に嬉しいよ」
先生は涙を拭うあたしを見て、とても嬉しそうに喜んでくれた。
先生にも進路選択については何度も相談してお世話になってきたから、こうやって良い結果を知ってもらえたのは嬉しい。
あたしは笑顔で「ありがとうございます」と言うことが出来た。
「佐奈ちゃん、本当に良かったわね。実は私も先に結果を見せてもらってたの。合格おめでとう!」
「鈴木先生……!ありがとうございます!!」
担任の先生との話を終えて接客スペースから出ると、どうやら待ち構えていたらしい鈴木先生が声をかけてくれた。
瞳を潤しながらお祝いの言葉を言ってくれる鈴木先生の姿を見ていると、落ち着いていた涙が再び溢れそうになる。