光を背負う、僕ら。―第2楽章―



「あっ……」




先生達にお礼を言って職員室を出ると、明日美と流歌がそわそわした様子で廊下に居た。


そして、小春ちゃんの姿もそこにある。



まさかみんながここに居るとは思わなくてドアを開けたまま固まっていると、3人とも笑顔で迎えてくれた。




「みんな……待っててくれたの?」




そう尋ねると、明日美と流歌は遠慮がちに笑って言った。




「うん。何だか佐奈の結果が気になっちゃって……」


「そうそう。聞かれるの嫌かなって思ったんだけど、先に帰るのも悪いかなって思ってね。それで待ってたの」


「そうだったんだ……。ありがとう、待っててくれて。二人にはすぐに報告したかったからちょうど良かったよ」




あたしはそう言うと、今すぐにでも二人に結果を教えたくなった。



でもすぐ傍にいる小春ちゃんの存在が気がかりで踏みとどまる。



小春ちゃんって、もう結果は聞いたのかな……。



ちらりと小春ちゃんの表情を窺うと、何かを察したのか小春ちゃんが口を開いた。




「実はあたし、もう結果聞いてあるんだ。さっき佐奈ちゃんが職員室に入ってきたときにまだ中にいたんだけど、気付かなかった?」


「えっ、そうだったの?全然気付かなかった……」


「佐奈ちゃん、すごく緊張してたみたいだもんね」




小春ちゃんはあたしの姿を思い出してクスクスと笑う。



余程カチカチに固まって緊張していたのだろう。



笑っている小春ちゃんを見ていると、数分前の自分が何だか恥ずかしくなった。



< 436 / 485 >

この作品をシェア

pagetop