光を背負う、僕ら。―第2楽章―
……ねぇ、あたしの気持ちも伝わってるかな?
伸一の一言一言は、耳の中に録音したいほど大切なの。
あたしに向けてくれる笑顔ほど、愛しく感じるものはないの。
まだそのことを言葉にして伝えるには躊躇いがあるけど、いつかこういう照れくさいことも伝えられたらいいな。
今は代わりに、繋いでいる指先から愛しさが伝われば良い。
この指先が奏でる音に心がこもるように、触れた伸一のぬくもりにも気持ちが伝われば良い。
あたしはそんなことを願いながら、「ありがとう」と微笑んだ。
伸一と手を繋いで帰った優しい帰り道。
それはどこまでも、希望の光で照らされている気がした。
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