光を背負う、僕ら。―第2楽章―



******



今なら自信を持って言えるよ


君ほど誰よりも大切で

何よりもあたしの背中を押してくれて

心を満たしてくれる人は居ないって


君を想う瞬間は

幸せな気持ちにもなれた


でも

泣いて挫ける悔しさも

何度だって味わってきた


それでもね

この気持ちは見失うなんてことなかった


君の存在だけは

忘れたくても

あたしの中に深く居座るから

往生際悪く

諦めることも出来なかった


まるで出口のない迷路

抜け出したくても抜け出せない


だけどね

君があたしに手を差し伸ばしてくれるなら

この不安定な努力も

ゴールを見失った感情も

少しは報われる気がするの


自惚れても良いかな

あたしの気持ちはずっと変わらない


何度君の存在を見失いかけても

きっとまた探し出してみせるから


あたしにこの気持ちをくれて


ありがとう



******




詩に乗せたメロディーは、たぶん今まで作った曲の中で一番優しいものになった気がする。



だって伸一のことを想って作る曲にはいつも行き場のない気持ちがこもっていたせいで、どうしても暗くなったり切ない雰囲気になってしまっていたから。



でも、今回は違う。


伸一への気持ちは変わらないけど、そこに宿る感情はもう悲しみを帯びていない。



むしろ温かい幸福感で満たされているメロディーになった。



< 456 / 485 >

この作品をシェア

pagetop