光を背負う、僕ら。―第2楽章―
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ねぇ 僕は今何処にいるの
そんな問いかけを誰かにしても
答えてくれないことは分かってる
ねぇ だけど誰かに聞きたい
どうか教えて欲しいんだ
僕がいるべきその場所を…
何が僕らの行き先を決めたんだろう
夢を詰め込んだ心の瓶に蓋をした夜に
泣いて喚いて作った傷は
今もまだ
消毒さえ効かないほどに膿んでいるよ
誰か 誰か
どうか探して
蓋をされた僕の心を開く
世界で一番必要な鍵を…
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ノートの1ページに書かれた詩を歌い終えたとき、それに合わせて作った曲も終わりを迎えた。
しっとりとしたメロディーは、少し切なさを残して消える。
「……はぁー…」
緊張が解けた安心感からなのか、自分の曲への失望なのか。
――それとも、幸福を味わったのか。
理由は定かではないけれど、ため息は自然と口からこぼれ落ちる。
さっきまで奏でていたピアノの音に比べればとてもちっぽけなものだけど、ずっしりとした重みを感じた。