光を背負う、僕ら。―第2楽章―
すっきりとした笑顔で後輩達と別れたあと、明日美と流歌と合流した。
3人とも大切な後輩達に貰ったプレゼントで腕の中がいっぱいになっている。
でも何よりも満たされているのは、やっぱり心だった。
流歌がポロポロと涙を落としながら歩いてくるので、あたしも明日美も驚いてしまう。
「流歌、大丈夫?」
「ちょっと流歌、泣きすぎでしょー」
「だって~……。急にみんなと離れ離れになるのが寂しくなってきたんだもん」
流歌はそう言うと、余計に泣き出してしまった。
気が付くと周りからも、泣き声や鼻を啜る音が聞こえてくる。
みんなさっきまでは卒業という雰囲気とはかけ離れて笑顔が多かったのに、いつしか辺りは寂しい空気が充満していた。
泣き顔で溢れる空間に影響されて、あたしもまたじわりと涙が浮かぶ。
ふと明日美を見ると目の縁が赤くなっていて、涙を堪えている様子だった。
明日美はスカートのポケットからハンカチを取り出すと、それを流歌に差し出す。
「ほら、流歌。これで涙拭いて」
「うぅ……。明日美ありがとう」
「そんなの良いよ。友達なんだから当然だもん」
友達。
明日美が言ったその言葉は力強くて、温かみが込められている気がした。
めそめそと泣く流歌に、明日美はしょうがないなぁと言うように笑う。