光を背負う、僕ら。―第2楽章―



「……まぁ、別に良いんだけどね。佐奈ちゃんは謝らなくて大丈夫だよ。教えてくれなかったのは伸一も同じだもん。……っていうかさっき、気になりすぎて伸一を問い詰めてきたところだから良いの!」


「えっ、問い詰めた……?」


「うん。最初は渋って言わなかったんだけど、ちょっと脅して問い詰めたら全部話してくれた。まぁ、借りがあるようなもんだしね?」



てへっと笑う小春ちゃんの言葉には、またもや驚かされた。


それよりももっと、行動の早さに感心してしまう。



今まで何も聞かずにいてくれたことが信じられない。

考えを変えてすぐに実行している行動力は、そう思えるものだった。



しかも、相当迫って聞いたんだろうな……。

根気負けしてあっさり話した伸一の姿が、簡単に想像つく。



元カノだからというか、小春ちゃんらしい実行力だった。

いつでもどこでも、真っ直ぐ自分の気持ちの通りに動く人だから。



驚愕して苦笑いを浮かべていると、両手を握られた。



脇に抱えていた荷物が落ちそうになり、慌てて抱え直す。




「ちゃんと、付き合うことになったんだってね!本当に良かった!いつになったら付き合うのかなーってずっとやきもきしてたから、上手くいったって聞いて安心したよ」




小春ちゃんは自分のことのように頬を綻ばせて、喜びを伝えてくれた。



その様子は偽りなんかじゃなくて本心から来ているものだっていうのは、握られた手や優しい表情からひしひしと伝わってくる。



だからあたしも、素直に喜ぶことが出来た。



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