光を背負う、僕ら。―第2楽章―
当の本人達は訳が分からずに顔を見合わせて首を傾げているけど、笑わずにはいられなかったんだ。
だってさっきあたしが、二人なら言うだろうなって予想していたことを、見事に言ってくれるんだもん。
予想が的中しすぎて、ある意味自分が怖いぐらいだ。
でも、こんな風に気持ちが分かるのは嬉しいことでもあった。
だってそれぐらい、あたしと明日美と流歌の絆が強いってことを証明してくれているみたいだから。
それにあたしの恋をここまで心配してくる友達に出会えたことが、何よりも誇りに思えるよ。
頭上に疑問符を浮かべている二人に、弾けるような笑顔を見せて言った。
「伸一とは今朝、たくさん話したから大丈夫だよ。それに今日は、親友二人と一緒に帰るって約束したでしょう?大事な二人を優先したいから良いの!」
明日美と流歌の顔を交互に見れば、最初は戸惑っていた二人もゆっくり笑顔に変わっていく。
その表情は、伸一と真藤君が別れ際に見せていた笑顔によく似ていた。
大切な仲間に見せる特別な笑みだ。
「またまたー、佐奈ってば。そんなこと言ってるけど、そのうち佐藤君とラブラブになってきたら、親友のあたし達より佐藤君のことを優先するんじゃないの?」
「ラブラブって……」
肘鉄をしながらからかってくる明日美に苦笑いする。
でも、口から飛び出す言葉はどれも本音だ。