光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「佐奈、帰ろー」
「立ち止まってると放って行っちゃうよー?」
二人が振り返って手招きをしている。
思考が現在に戻ってきたあたしは、大きく息を吸って笑顔でそれに応えた。
踏み出した足は軽いのに、力強い一歩だった。
「今行くよー!」
進む、一歩ずつ。
これから始まる新たな旅路の第一歩のその先へ、あたしはこれからも歩いていける自信がある。
だって、いつだって背中には光の存在があるから。
見えなくても、見失っても。
光の存在を忘れない限り、きっとまたあたしの背中を押してくれるだろう。
あたしが見つけた光は、いつだってそばにあるのだから――。
校門を出るとき、ちょうど背後でチャイムが鳴った。
それはあたし達の旅立ちを祝ってくれているみたいに、優しく響いていた。
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