光を背負う、僕ら。―第2楽章―



曲を歌い終えて、そうやって感傷に浸っているときだった。




――ガタッガタッ…!




「うわっ!!…っぶね~…!」




何かの大きな物音と誰かの悲鳴が、静寂が訪れた部屋に突然響いた。



不意をつくように聞こえた轟音と他人の存在を知らせる声に、あたしは体を飛び上がらせて驚く。




「なっ……何の音!?」




ピアノから離れて、音が鳴り響いた方向に恐る恐る近付く。



するとそこに広がっていた光景は、埃が舞う中で哀れにも乱雑に床に倒れた机と椅子の山だった。



どうやらこの部屋の出入口付近に高く積み上げられていたそれらが、何かの拍子でバランスを崩して落ちたらしい。



だけどさっとその周りを見る限り、声の主らしき人影は見当たらない。




「あれっ…、誰もいない……?」




おかしいな…。

誰かの悲鳴が聞こえたのは確かなんだけど。



不思議に思ってもう一歩机の山に近付いた。



……そのときだった。




「おぉー、こえぇ!危うく下敷きになるとこだった」



「……っ!?」




崩れた山の向こうを覗きこむのとほぼ同じ瞬間、机で影になっている部分から誰か人が立ち上がった。



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