光を背負う、僕ら。―第2楽章―
……えっ…?
どうしてこの人が、ここにいるの……?
あたしはここにいるはずがない人物を目の前にして、思考がすべて止まってしまったように体が固まる。
「ほんと、あぶねぇとこだった。てかこの部屋、ぜってぇ荷物積みすぎだろ。
……なぁ、麻木もそう思わねぇ?」
だけど当の本人はそんなあたしの意思に気付いていないのかして、至って平然に話しかけてくる。
だから余計に、あたしは何が起こっているのか理解出来なかった。
あたしは夢を見ているような感覚のまま、おずおずと口を開く。
緊張と動揺で鳴り響く鼓動は、確かに自分のものだった。
「どうして……。
――佐藤君がここにいるの?」
まるでさっきのあたしの曲が呼びつけたように、目の前に彼は現れた。
佐藤伸一。
あたしの心を、掻き乱す人。