光を背負う、僕ら。―第2楽章―



……敵わないな。


悲しみを通り越した痛みに、震える体は何も反応しない。




「…って俺、何言ってんだろ。
ごめんな?変なこと話して」


「ううん。全然いい。
……むしろ、話してよ」


「えっ…」




戸惑った表情が、あたしの視界に写り込む。



…あぁ、あたし。

何言っちゃってるんだろう。



傷付くことぐらい目に見えて分かる。


弱っている姿に付け込もうとしている自分が見え隠れしていることにも気付いていた。



……それでも。




「…あたし、どんな話でも聞くよ?愚痴でも、何でも!」




あなたのことを少しでも多く知りたいと。


あなたに頼りにされたいと願ってしまう。



――こんなあたしは卑怯ですか?




伸一は口元を緩めて、切なく笑った。



だから、ほんの少しだけ。


心を開いてくれたと。

彼の気持ちに近付けたような気がした。


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