光を背負う、僕ら。―第2楽章―



「…ありがとう」



明日美は微笑んであたしの言葉を受けとると、自分の楽器を持って同じパートのメンバーの輪に加わりに行った。



辺りを見ると小春ちゃんを取り囲んでいた輪も消えていて、それぞれパートごとに分かれている。



あたしもフルートを片手に、久しぶりに同じパートのメンバーに合流した。




◇◆◇◆◇




夏が過ぎ行くにつれて短くなった陽が、沈む間際に最後の光を窓から音楽室に降り注いでいる。



「佐奈ちゃん、小春ちゃん、ちょっと来てくれる?」



そんな中で、部活の後片付けをしているときだった。



今日は会議で来ることが出来なかったはずの鈴木先生が、音楽室に顔を出した。



だけど中に入ってこようとはせずに、あたしと小春ちゃんの顔を交互に確認して外に招き呼ぶ。



何の用だろう…。


不思議に思って考えるけど、自分と同様に呼ばれた小春ちゃんのことを考えると思いつくものはあのことしかない。



みんなの視線を直に感じながら、小春ちゃんと揃って外へ出た。



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