光を背負う、僕ら。―第2楽章―



◇◆◇◆◇




「今日配った進路希望調査票は、来週中には提出するように。
そろそろ志望校を確定しないといけない時期だから、保護者の方とよく相談してきなさい」




ホームルームの時間。


担任の先生が進路に関する大事な連絡を丁寧にする。



だけど頭の中ではここ最近の悩みが渦巻いていて、必要なことを記憶出来ずにいた。




進路希望調査票…か。


未だにお母さんのことを説得出来ずにいるのに、相談なんてしようがないじゃん…。




「おーい、佐藤。ホームルーム中に寝るなよ」


「…ん~。だって先生、俺今日寝不足なんだって。ちょっとぐらい寝かしてくれよー」


「寝不足なのは分かったけど、今は大事な連絡してるんだからちゃんと聞いとけ」


「…はいはい」




注意されても机に突っ伏して寝ている伸一に先生は呆れて、もうそれ以上は何も言わなかった。



教卓の目の前の席だというのに堂々と寝られる伸一には、なんだかある意味尊敬さえしそうだ。



そんな伸一の背中を、あたしは複雑な気持ちで見つめていた。




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