2人の生活
カフェ
貴志の手は綺麗だ。
太すぎず
強すぎない
彼の手。


なめらかで
優しくて
温かい。

貴志は知らない
私がどんなにこの
手が好きか


昨夜過ごした
貴志の部屋は
彼の性格を物語るように
整然とし、静謐な空気さえ漂っている。

でも、私達2人が
くるまっている
毛布のなかは
抱き合った2人の
満ち足りた甘い香りがして聖院のような
貴志の部屋とは
合っていない。
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