雨上がりの虹の下で【完結】
「えー恥ずかしいって」
そう言いつつもその場でジャンプをしてやる気を出す三吉くん。そんな彼をじーっと見つめていた。
線の上に立った瞬間、彼の目は真剣そのものでかっこよかった。
「始め」先生の合図でリズムをとりながら相手の袖を掴んでいく。
「ヤー」本当に一瞬でいつの間にか相手の男の子は真上に上がって畳の上に転がっていた。
「一本!」
先生の声が試合終了を表す。
「おぉー」みんなの拍手が体育館に響いた。
あんな顔するんや。初めて知った君の真剣な横顔。
かっこよくてかっこよくてたまらなかった。
そしてあの日、私の三吉くん対する思いは確実なものとなった。