雨上がりの虹の下で【完結】
「次のコンサートのソロ、佳乃がしてくれる?」
「え?」私はびっくりして固まってしまう。
パチパチと拍手をしながらみんながおめでとうや頑張ってと言ってくれる。
「で、でも」
「大丈夫。先生と私たち2年で決めた。佳乃のクラリネット最近、きれいないい音が出てるから。」
そう言って私に笑顔を見せる箕田先輩。
「私なんか……」
「佳乃にやってほしいの」
嬉しすぎて涙が出そうになった。
「はい」
私が返事をするとまた拍手がおこる。同い年の子たちが私の周りに集まってくる。
「佳乃、すごい!」
「頑張って!」
「うん、ありがとう」
私は笑顔で返事をした。