雨上がりの虹の下で【完結】
中学生の時は途中から吹奏楽部に入っていた。最初の頃は友達と遊ぶのが楽しくて部活なんか入らないと思ってた。
でも友達の付き添いで行った吹奏楽部のコンサート。
もちろんコンサートと言っても学校の体育館でやる小さなもの。
最初はただの付き添いだったのに見ているうちに自分も弾きたいと思うようになった。
それからすぐに入った吹奏楽部。人より不器用で人の倍練習しないと弾けなかった。
だからよく、家に持って帰って音は出さず指合わせの練習をたくさんにした。
周りよりも少し遅く入って、スタートラインも違った。でもそれを理由に下手くそだと言いたくなかった。
だから人よりいっぱいいっぱい練習した。難しい曲が弾けるようになったときのあの喜びは言葉では伝えられない。
ただ、毎日がむしゃらに弾き続けてきた大事なクラリネット。