雨上がりの虹の下で【完結】
「待って」咄嗟に彼の袖を掴んでいた。三吉くんは驚いた顔をして振り向いた。
「植本…?」
「好きっ」私の口から彼への思いが飛び出していた。
「え?」彼は驚いた顔をして私を見ている。私は怖くなって下に目線をずらした。
「三吉くんが好きやねん!付き合って」
彼への思いは一生彼には届かないと思っていた。その思いが私の口から出るなんて思わなかった。
だけど、口からどんどん溢れてくる。彼への思いがたくさん溢れてくる。
私が釣り合わないなんて百も承知だから。告白して嫌いなんかにならないで。せめて好きでいさせて。