雨上がりの虹の下で【完結】
「佳乃っ!」大好きな人の声が私の名前を呼ぶ。
「大志……」大志は傘を片手で持って自転車で走ってきた。大志は大きな音を立てて自転車を乱暴に置いて私の前にくる。
「お前びちょびちょやんけ」そう言って私の体を引き付ける。
「大志も服、濡れてるやん」大好きな彼の腕の中で胸がキュンとする。
「俺は別にいける。佳乃は風邪引きやすいし、女の子やねんから」
「何で来たん?」腕の中で大志に話しかける。
「会いたいから。この理由じゃあかんの?」そう言いながら私から少し離れて私の顔を見る。