雨上がりの虹の下で【完結】
「ううん」そう言いながら首を横に振る。
「今日なんであんなに怒ってたん?」
「あー」そう言えば私は大志に怒ってたんや。すっかり大志のペースに乗せられて怒っていることなんてすっかり忘れていた。
「だって朝、楽しそうに喋ってるんやもん」
「廊下で喋ってたのんか?」私は大志の言葉に頷く。
「フフっ」彼は優しい笑顔で笑っている。
「何で笑うんよ」私は大志の背中をバシっと一髪たたく。
「佳乃が可愛いから」そう言ってもう一度私を抱き締めた。