ずっと一緒だよ…
病院に着くと

先生は直ぐに

診てくれました。






何であの時

もっと心配しなかったんだと…



凄く後悔した。





少しして…


検査室から


先生が出て来た。




「残念ですが…


あれは


癌です。」




「…癌?!」



私は

耳を疑いました。





「家の中でどのくらい


飼われてました?」





「7、8ヵ月…

くらいです…」





「そうですか…。


小さい頃


家の中で飼われて


急に外に出されたのが


原因でしょ。」




「そんな…」




「で、なければ…


犬は犬なりに


何か悩みを持ち


何か大きなショックを


覚えたんでしょうね。」





それを聞いた瞬間

銃で頭を撃たれたような


大きな衝撃を

受けました。




「手術は…?」




「出来るなら…


したいんだけどね。


癌じゃどうし…」




「マーチを


助けて下さい!


お願いします!先生!」



先生の言葉を

遮るように言った。




「しかし…」





「お願いします!」




「…止めなさい!


みほ!」


止めようとする

母の言葉を

無視した。



「もう一度…


あの元気で


ひつこいくらい鳴いて


泥まみれな足で


飛び付いて来る…


マーチに会いたいんです!


お願いします!」




「…分かりました。


やれる所まで


やってみしょう…。」




「…有り難う御座います!」





私と母は


何度も頭を下げた後



病院を出ました。
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