ずっと一緒だよ…
そんな私を見た母が


言いました。






「マーチはね、


みほが遊んでくれなくなった時


いつも一緒に遊んでたボールで


一人で遊んでたの。


それでね…


疲れた時は


みほがいつも座ってた場所で


体を休めてた。


みほの部屋から


ゆずの曲が聴こえると


歌ってた。


一人で


寂しかったんだよ。


…そんな時また


遊びだしてくれて。





…病気になったけど


今はもう一人ぼっちじゃないって


安心して


こうやって


眠りについたんじゃないかな…


マーチにとって


ご主人様は


みほだったんだね。」







そんな事を




初めて母に聞かされた時…












私が無視したあの時の



マーチの鳴き声は



ゆずの歌を歌っていたんだと。











今、やっと




気付きました…。







ずっと



我慢して堪えていた涙が




堪え切れず…



溢れ出した。











私の座って居た


場所だけが



大雨が降った時の


土のように



濡れていた。
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